琉球玩具から希少種のタイプ標本まで、琉球列島のユニークな大学博物館①

~はじめて風樹館(琉球大学資料館)を訪ねました~

以前から気になっていた風樹館をはじめて訪ねました。広い琉球大学の構内を迷いながらようやくたどり着いた建物は、意外にも中世の教会堂か音楽ホールかと思わせる赤レンガ造りの堂々とした佇まいを見せていました。設計は、那覇市民会館など琉球建築の様式を現代建築に取り入れたことで著名な建築家金城信吉氏が晩年に手がけたもの。この建物を見るだけでも価値がありそうです。

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▲風樹館の正面。外壁に赤レンガ使用され不思議な存在感がある

館内に入ると吹き抜けの高い天井のあるホールを中心に、右側が自然系の標本類、左側に琉球玩具をはじめ、復元前の首里城の瓦や藁算資料など文化に関する常設展示コーナーが設置されています。とくに琉球の希少動物・昆虫のタイプ標本や岩石・サンゴ類の標本などは、琉球大学の研究者が収集した貴重なものばかり。琉球列島各地で収集された約4万点余の標本や資料が収蔵されており、写真でしか見たことのない絶滅危惧種など、剥製と骨格標本が並んで展示されています。ヤンバルテナガコガネやキクザトサワヘビなど、「しまたてぃ」の表紙に登場した琉球の希少種の標本類に対面できて少し興奮しました。

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▲学校ビオトープ見本園。小学生の総合学習や教員の研修などに活用されている

建物の東側には「学校ビオトープ見本園」が設置されています。とんぼ池や小さな田んぼ、ターンム畑が普通の原っぱの周りに配置され、懐かしい風景が凝縮されている感じで、時間に余裕があればもっとゆっくり過ごしたい思いに駆られました。しばらく散策していると、このビオトープで思いがけない植物を見つけました。その植物についてのストーリーは次回で……。

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▲学校ビオトープ見本園ガイドブック。写真・イラストが効果的に使われ親しみやすい編集になっている

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